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日本語って、どうやって教えたらいいの?

こないだ娘の誕生日会にちなんで、家に私の友達を20人ぐらい呼んで、ギョーザパーティーをしました。子ども含めると30人近くの大規模パーティーになり、何かの充実感にひたっていました。結構お金かかったんだけど・・💦ギョーザだけのつもりだったのに・・。妻がエビとか色々準備しだしたから・・おっと!愚痴が出てしまった。当日仕事休んで準備してくれた妻に対して文句はご法度だね

まぁ、そのときに日本人のとある社長さんから、日本語って、どうやって教えるの?っていうすごく私にとっては新鮮な質問があって、ちょい書いてみようかなぁと思ったので、何を書くかまだ頭の中であんまりまとまってないけど、書いてみます。日本語教師の仕事内容、待遇、やりがいなどについては以前の記事で書いてあるので、よければ一度目をお通しください。

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で、いちばん上の写真はコロナ禍のなかでオンラインで教えていたときに、予習用ビデオとして、解説動画を作ったときに撮った写真です。たまたま自分の授業動画をYouTubeであげ始めてて、簡単な編集とかはけっこうお手の物だったから、コロナ禍に入って、さぁ対面授業できないよ、どうする?ってなったときに、動画を使って予習させた上で、オンライン授業をして、宿題はGoogleClassで管理する。みたいなICTツールを駆使したコースデザインを提案でき、切れかかったクビが皮一枚残って今がある。運がよかったかな

で、そろそろ、日本語教育について話していきます。日本語教育の内容は初級・中級・上級の3段階に分かれます。資格的には日本語能力検定試験(JLPT)というのがあって、N1~N5までの5段階で英検と同じでN1がいちばん上級です。準1とかはないけど

中級~上級は日本語学校によって、使う教科書が違っていて、有名なところでは『テーマ別中級を学ぶ日本語』『中級を学ぼう』『新完全マスター』そんなところでしょうか。上級に向かえば向かうほど、使う本は様々です。一方、初級はというと、9割以上が同じ教科書を使っています。それが『みんなの日本語』です。この本、中級までありますが、中級編はあまり使われていません。いい本なんですが、教えるのに時間がかかりすぎるからかもしれないですね。

まず、上記の会話から始まります。この前に新しく学ぶ文型と、それを使った短い例文が載っていますが、見開きのメインはこちらの会話文になります。新しい文型と言葉が会話の中でどのように使われるかの例示という位置づけです。この会話は音声は無料、動画は有料DVD(約9000円)にあります。

上の会話は初級17課なんですが、「なければなりません」と「ないでください」という新しい文型と、多くの新出語彙が使われています。例えば、この17課で新しく登場する言葉の意味も、文型も学生は理解していないという設定の場合、自分が教師だったらどう教えるか、この会話文をどう使うか、想像してみてください。

教えられそうですか?意味を伝えられそうですか?・・はい。なんとかなりそうですよね(笑)。例えば「2,3日お風呂に入らないでください」とかは、2,3日は今日、明日、明後日みたいな言葉を黒板に書いて〇で囲めば伝わりそう。「お風呂に入らないでください」は医者が患者に「お風呂はダメですよ」と言いたい。ダメとジェスチャーを加えたり、✕をつけたりしたら意味を伝えられる。できそうですね!これが基本です。学習者の母国語である媒介語を使って教える間接法と、今みたいに媒介語は使用しない日本語オンリーの直接法があります。どちらもメリットがあり、効果的に使うべきなのですが、日本人日本語教師の授業の基本は直接法です。上記、いけそうだと思った方は大丈夫です。すぐに日本語教師になれ・・るかもしれません(笑)特に資格なくても外国なら問題ないし、できるんだけど、いい日本語教師になるには多少の修行はいるかもしれませんが・・

私はベトナムで日本語を教えていますが、どの国でも同じ。日本でも授業の前に、みんなの日本語翻訳バージョンがあって、英語、中国語をはじめ、ベトナム語からインドネシア語まで色んな翻訳解説本があります。それを見てから授業に参加するように!これが基本です。ベトナムでなら、日本人教師が学生の前に登場するのはベトナム人教師が文法導入、練習問題をやった後になります。だいたい各課6時間(6コマ)で終わらせるんですが、日本人教師は5,6コマ目に鳴り物入りで登場することが大半です(笑)

その後、練習A、練習B、練習Cと続いていきます。まず、練習Aは文型の使い方です。ここで文型の文法的要素を解説します。上で言うと、『ない形』という否定の『ない』を含む文型の5段活用を練習したあと、それぞれの文型の意味と使い方を練習していきます。ベトナムならベトナム人教師がベトナム語で教えるんですが、日本の日本語学校の場合はあくまで先ほど言ったように言葉の意味と、文型のだいたいの意味は翻訳本で予習したうえで、直接法で、身振り手振り、イラストなどを使いながら説明していきます。

説明して、学生が理解したら、練習に進みます。たとえば、「禁煙ですから、タバコを吸わないでください」を言わせたいとき、色んな練習法があるんですが、まずは「禁煙、タバコ」と書いたカードを見せて言わせたり、それを口頭で言って、学生に言わせたり。あとは「禁煙ですから」だけ言って、あとは文を作ってねという感じで言わせたり。同じ文を飽きないように何度も練習させる。これができれば楽しく、価値の高い授業ができます。ただ読ませる、練習問題する・・だけではなく、色んな工夫が必要というわけですね!

これが練習B。要するに練習問題です。問題をやらせて、その意味がわかってるかどうかの確認をしながら進めていきます。2番の例でいうと、「禁煙は・・タバコをすってもいいですか?タバコをすってはいけませんか?・・タバコを吸ってはいけません・・タバコ、いい?ダメ?」みたいな確認方法になります。気を付けないといけないのは教師は学生がどの言葉、どの文型を知っているか?を理解しておくことです。例えば、「禁煙はどういう意味ですか?」これは意味を確認するのにいちばんいい聞き方なんですが、「どういう意味ですか?」を勉強するのは、みんなの日本語の33課。時期で言うと、この17課を勉強する1~2ヶ月先になります。学生がこの本で勉強した言葉、文型のみを使って、教えていくのが基本の教え方です。ですから、3年以上教育経験のある教師は常に9割ぐらい、既習・未習を把握して意識しながら教えているのです。

これが練習C。練習A~Cで何が違うか、パッと見て、気づいた人はきっと語学教育のセンスがあります。そうです。だんだん会話的になってくるんです。文型・例文紹介、練習A~C、この後の問題などを経て、いちばん最初の長い会話文を理解できますか?みたいな授業の流れになります。順番は反対でもいいんです。会話から入るというやり方もあります。

このみんなの日本語は積み上げ方式の教育、つまり、文型、言葉を覚えさせて、意味を紹介して、場面設定を示して、会話をさせる。教育の最終地点を会話ということにすると、そこまでいくのに時間がかかってしまうという難点もひそんでいます。その点について、「みんなの日本語では会話が上手にならないから、うちのセンターは他の教科書を使用しています」という人がいます。たいてい教師経験のない、責任者的な人で、あたかも自分は教育を知っているというテイで話す勘違い野郎なんですが、けっこうこういう人がいます。ですが、そういう人に忠告するタイミングがあれば、私はこうツッコミます。みんなの日本語の構成を知っていますか?つまり、みんなの日本語も会話から入るという構成の本なんですよ。教え方を変えさえすれば、簡単に会話から入るということもできるんですよ。何も知らないで何を寝ぼけているんですか!?みたいなことを、まぁもちろんそこまで言えませんがね。

みんなの日本語を使う教育施設が9割を超えるのには理由があります。それは教材の充実です。みんなの日本語という教科書はメインの本冊、翻訳解説本の他にも、

・聴解タスク(上の写真)

・標準問題集

・文型練習帳

他にも作文のための本、教師のための本・イラストブックなどなどシリーズで8~10種もの教材がそろっています。日本人教師が教える際は授業の内容に応じて、色々な準備が必要になります。その準備を半減いや、7割カットしてくれるのがこれらの教材なんです。

教師の仕事は多岐にわたります。学習以外にも生活面の指導、メンタルケア。日本語学校の場合、進路指導、留学テスト対策、大学入試対策なども出てきます。そこを管理して初めて担任と言えますから、 授業準備だけに捉われれているいるわけにはいかないんですね。その点も含めて、初級はみんなの日本語シリーズを使うべきなんです。別に発刊してるスリーエーネットワーク社の回し者でも何でもないですが・・。

教える対象、つまりどんな学生がいるかについては今回触れませんでしたが、私なんかは今、ベトナムでEPA(日越経済連携協定の介護士育成プロジェクト)候補生に訪日前日本語教育を行っている。他に、日本にいる介護実習生に対するオンラインN3~N4教育を行っている。それから難民認定されて来日した、とある国の留学生に教えているなど。そのときそのときで色々ですね。基本はベトナムにいるのでベトナム人がメインの対象になります。話せる範囲でまたその辺もお話する機会があれば、紹介しようと思います

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